髪の毛肌用化粧水を使うのは、効果があるのでしょうか?
髪の毛と肌は、構造が異なるため、同じ効果が得られるとは限りません。
知らずに化粧水を髪の毛につけ、放置すると、髪の毛水分が蒸発し、逆に痛んでしまう可能性もあります。
しかし、頭皮には効果ある可能性もあります。
この記事では髪の毛化粧水を使う時の正しい知識と使い方をお伝えします。
髪の毛に化粧水つけても効果がないって本当?
結論から言うと効果が無いわけではありません。
しかし、効果があまり期待できないということです。
また、化粧水の配合成分によって、べとついてしまうときもあります。
「化粧水はほとんど水でできているから、髪に使っても意味がない」という事を聞くこともあります。
「化粧水は水だから悪い」のではなく、髪の毛に適した成分の配合と製造方法で作られていないため、「あまり意味がない」ということです。
髪の毛に化粧水つけて効果がない4つの理由
髪の毛に化粧水をつけても効果がない理由は下記の4つです。
- 髪と肌では水分と油分の比率が異なる
- 水分を保護する効果が化粧水にはない
- 肌用成分の配合量が髪の毛に合わない
- アルコールが多量に配合されている化粧水もある
化粧水は髪用に作られていないので、基本的に効果は期待できません。
4つの理由を解説します。
髪の毛と肌では水分と油分の比率が異なる
健康でキレイな髪の毛と肌は、水分と油分のバランスが大事であり、理想的な比率があります。
髪 水分2.5 : 油分1
肌 水分4 : 油分1
髪の毛は肌よりも油分が多く、髪の保湿を考えるときに、油分の方が重要になります。
髪の毛の水分を補給することを気にするより、髪の毛キューティクルの乱れがないかを気にしましょう。
キューティクルが乱れていると、隙間から水分が流出します。
化粧水があまり効果がないのは、水分補給より油分の調整と、水分の蒸発を防ぐ方が大切だからです。
髪の毛、自然な潤いを維持するために、水分だけでなく油分も必要です。油分は、髪の毛を保護する役割も果たしており、不足すると髪の毛は乾燥してしまいます。化粧水を髪の毛につけたまま放置すると、化粧水の蒸発と一緒に髪の毛の水分も蒸発し、乾燥してしまうことがあります。化粧水は油分が足りないのです。
化粧水では髪の毛の水分を維持できない
髪の毛化粧水をつけても効果は薄いです。髪の毛の水分は、キューティクルの隙間から外に出ていってしまいます。
リンスやトリートメント、ヘアオイル、ヘアミルクなどは、シリコンなどのコーティングしてキューティクルを保護する成分が入っています。
肌に乳液やクリームなどのように蓋をする化粧品が必要であることと同様に、髪の毛蓋をして保護する成分が必要です。しかも髪の毛は肌よりも水分が抜けやすくなっています。
化粧水は、乳液やクリームのように蓋をする効果がありません。つまり化粧水を髪の毛につけても、髪が乾くと同時に水分が蒸発をしていってしまいます。
肌用成分の配合量が髪の毛に合わない
化粧水には保水力のある"保湿剤"と、とろみを出す"増粘剤"が配合されています。肌での使用感実験を行い、肌への効果のエビデンスを見ながら、配合量を決めていきます。
髪の毛と肌は、性質が違うため、肌への効果のエビデンスがあり成分でも、髪の毛に良い効果をもたらすわけではありません。
保湿剤は、髪の毛にも効果はありますが、油分でしっかり蓋をしないとなりません。
油分で蓋をせずに空気に触れると、過剰につけた成分の乾燥が進み、成分がすぐに乾きます。
増粘剤は、化粧品にとろみをつけるためによく使われる成分で、ヘアケアにも使われています。
しかし、化粧水の保湿感を演出するために、多めに配合するときがあります。
「とろみがある=保湿力がある」と考える方は一定程度いるからです。
増粘剤は、保水性もあり乾きにくい成分です。髪の毛に付着したまま徐々に乾燥していくと、何かがこびりついたような変なべとつきが生まれてしまう可能性もあります。
肌用ミルキーローションなら髪に効果ある?
残念ながらミルキーローションも髪の毛にはおすすめはできません。
白濁したミルキーローションは油分が入ってますが、配合量は1%入れるかどうかすら意見が分かれます。
肌用の保湿維持成分も含まれているので、べとつきやカピカピになってしまうかも知れません。
もし保水効果を髪の毛に与えたいのであれば、ヘアミルクやヘアミストがおすすめです。
アルコール配合の化粧水は髪の毛に合わない
化粧水によってアルコールの配合量が多いものもあります。
アルコールで髪の毛や頭皮の皮脂を除去してしまい、乾燥や刺激を引き起こすことがあります。また、アルコールが髪の毛の表面を傷つけ、髪の毛をパサつかせたり、キューティクルを傷つけたりすることがあります。
化粧水にアルコールを入れる理由は以下の通り、肌への効果・効能であることが良く分かると思います。
汚れを落とす効果 | 過剰に分泌された皮脂や、汚れ、色素などを取り除くことができます。 |
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殺菌による防腐 | アルコールには防腐効果があります。 |
収れん効果 | 肌をひきしめ、毛穴を閉ざします。 |
すっきり清涼効果 | アルコールは蒸発と同時に熱を奪い、肌にスーッとした爽快感を与えます。 |
配合成分の可溶化 | 化粧水の「水」の中に香料や有効成分などを均一に混ぜるために使われます。 |
髪の毛に化粧水をつけると現れる悪い症状とは?
髪の毛化粧水をつけると現れる悪い症状は主に3つあります。
- 乾燥してキューティクルも乱れ髪がパサつく
- 髪の毛がべたつく
- ヘアカラーの色落ち
それぞれの詳細を解説します。
髪の毛の乾燥とキューティクルの乱れでパサパサになる
髪の毛は、水分と油分のバランスが「2.5:1」に保たれることで美しい状態を保ちます。ただし、化粧水は油分が不足しているため、水分が蒸発しやすくなります。
髪の毛の内部の水分量が高くなると、髪の毛の表面と内部の水分量に差が生じます。この差が大きくなると、髪の毛の表面と内部の間に力が働き、キューティクル層が持つ鱗片同士が剥がれてしまうことがあります。これによって、髪の毛が濡れたまま放置されるとキューティクルが乱れる理由が生じます。
キューティクルは、髪の毛を保護し水分を保持する役割があり、鱗片同士が密着しています。しかし、キューティクルが乱れると鱗片同士が剥がれ、その結果水分が蒸発しやすくなります。
"髪の毛の水分が過剰に蒸発→キューティクルが乱れる→髪の毛の水分が更に蒸発"という流れが起こるようになります。
化粧水を髪の毛に使うと、この現象が起こることで痛む可能性があります。
髪の毛がべたつく
化粧水は肌用に作られており、髪の毛につけるとべたつきが起こるときがあります。それは配合成分と配合量が髪の毛に合っていないことがあるためです。
化粧水には、グリセリンやBG、コラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿剤が多量に配合されており、保湿剤が多い化粧水を髪の毛に塗るとべたつきます。
更に化粧水に油分がほとんどないので、水分は時間とともに蒸発してしまい、髪の毛の保湿にはなりません。
髪の毛と頭皮に皮脂がたまったときのべとつき感や、何かがこびりついたようなべとつき感を感じることや、べとつきの塊が出てくる場合もあります。
乾燥が進むと、べたつくだけでなく、カピカピになる場合もあるので注意が必要です。
ヘアカラーの色落ちの原因になる
ヘアカラーは、キューティクル層の内部に浸透させ、髪の毛の内部の色を変えます。
髪の毛に化粧水を使うことで、キューティクルが乱れる可能性があります。キューティクルが乱れていると、ヘアカラーの色素を髪の内部に閉じ込めることができなくなるため、色の均一性が失われ、色落ちが早くなることがあります。
さらに、キューティクルの損傷によって、髪の毛表面が粗くなり、髪の毛の内部から光が透過しづらくなります。そのため、髪の毛表面に光が反射されず、髪の色が暗く見えたり、くすんだりすることがあります。
したがって、キューティクルを保護することが、ヘアカラーの色持ちや髪の毛の健康維持に欠かせないことがわかります。
髪の毛と頭皮を保湿するための正しい方法とは?
化粧水を髪の毛と頭皮につけることが全て悪いわけではありません。
髪の毛に化粧水をつけることはおすすめしませんが、頭皮の保湿効果はあります。
頭皮の乾燥に悩んでいる方に、2つの方法を紹介します。
シャンプーの方法を変える
頭皮が乾燥すると、フケや抜け毛など様々なトラブルが起こるので、頭皮の保湿を保つことは大切です。頭皮の場合、「水分4:油分1」のバランスになる為、化粧水が大切になってきます。
しかしシャンプーやトリートメントにも保湿剤が配合されていますので、シャンプーとトリートメントを正しく使っていれば、頭皮が乾燥することも少なくなるはずです。
頭皮が乾燥すると感じている方は、シャンプーの方法が間違っているかもしれません。
ヘアミストかヘアミルクを使う
髪の毛に水分が足りないと思ったら、ヘアミルクかヘアミストを使いましょう。
ヘアミルクは油分量がミストより多く、ヘアミストは水分量の方が多いです。
より乾燥が激しいと感じる方はヘアミルク、もう少し水分を補給したいと考える方はヘアミストを使いましょう。
ヘアミルクなら水分と油分をバランスよく取れる
ヘアミルクは、髪の毛の水分補給には理想的です。
ヘアオイルにない水分が含まれ、油分もしっかり含まれているので、髪の毛がふんわり、しっとり滑らかになりやすいです。
ヘアミストはまさに髪用化粧水
ヘアミストは、髪の毛用と意識し、髪の毛用のシリコンや髪の毛用の油性成分、髪の毛のオイルを入れている商品があります。
しかし、中には肌用化粧水に似た成分構成になっており、見分けるのは難しいときもあります。
このように、"髪の毛用"と言えるアイテムは、髪に効果が出るように考えられています。
頭皮なら頭皮用化粧水かさらっとした化粧水を使う
もし化粧水を使う場合は、頭皮用の化粧水か、保湿剤の配合量が少ないさらっとした化粧水を使いましょう。
髪の毛の保湿では使えないので、髪の毛につけないように配慮しながら頭皮につけていくと良いでしょう。
スプレータイプで頭皮近くにスプレー口を近づけて噴射し、頭皮にもみ込むようにつけましょう。
まとめ
化粧水を髪の毛に使うのは意味がありません。
時に髪を痛めてしまいますので、髪の毛を保湿する目的で化粧水をつけるのはやめましょう。
頭皮であれば使うのもありですが、まずはシャンプーの見直しを行い、しっかりとした対策をした後、それでも頭皮が乾燥する場合に頭皮用の化粧水を試してみましょう。