頭皮環境を整えてくると言われている炭酸シャンプーですが、デメリットもしっかりあります。
デメリットに直撃してしまうと、効果なしという話しどころか、頭皮と髪へのダメージは軽いものではありません。
正しく使えば、頭皮環境が整い、健康的な髪が育ちやすくなります。
この記事では炭酸シャンプーのデメリット・メリットの他に、炭酸シャンプーの効果を実感するための使い方を解説します。
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炭酸シャンプーの5つのデメリット
はじめに炭酸シャンプーのデメリットをみていきます。
意外と泡立たない | 炭酸泡が洗浄力があるため界面活性剤を抑える |
洗浄力が強いので合わない人もいる | 「乾燥する」という声も多い |
頻度を間違えるとフケ・乾燥! | 二度と使いたくないという人もいる |
効果を感じない人もいる | 使ってみて「さっぱりした」程度 |
意外と値段が高い | 1g単価だと3倍も普通! |
刺激が強いので合わない以外にも、思ったのと違う、などさまざまな要因で生じるデメリットがあります。
価格も比較的高いので、価格を考慮した上で「効果なし!」と感じる方もいます。
意外と泡立たない商品も多い
炭酸シャンプーというと、しっかり泡立つイメージがあるかもしれません。 ですが、実は炭酸シャンプーによりますが、意外と泡立たない商品も多いのです。

炭酸は泡立ちのサポート程度です
炭酸シャンプーは、炭酸自体が洗浄力を持っており、洗浄成分も強く泡立つものを入れると、洗浄力が強すぎてしまいます。
そのため、洗浄成分を控えめにする工夫がされています。 シャンプーに使われている洗浄成分は大きく分けて3種類あり、アミノ酸系、石鹸系、高級アルコール系に分かれます。
洗浄力や脱脂力が穏やかなアミノ酸系炭酸シャンプーだった場合、他の2種類と比べて泡立ちにくい傾向があるのです。
炭酸シャンプーの泡立ち問題については「炭酸シャンプーは泡立たないのか?」の記事をご覧ください。
洗浄力が強いので髪がバサバサに人もいる

炭酸シャンプーで髪がぱさつく可能性も
炭酸シャンプーは通常のシャンプーと比べて、刺激が強い上に、洗浄力が強いです。
洗浄力が高いシャンプーは、髪をしっとり柔らかくする「皮脂」を取りすぎてしまい、髪が乾燥してバサバサになる可能性もあります。 人によっては頭皮に痛みやかゆみを感じる可能性もあります。
洗浄力が強いということは、脱脂力が強いため、皮脂量が少ない人の場合、皮脂を取りすぎてしまいます。 皮脂が過剰な状態は避けるべきですが、取りすぎると髪の乾燥します。 頭皮の皮脂が多い人には向いていますが、一方で極度の乾燥肌や敏感肌の人には合わないかもしれません。
頻度を間違えるとフケ・抜け毛に!

頭皮の乾燥はフケや抜け毛を招く
炭酸シャンプーは普通のシャンプーより皮脂を取る力も強いため、頻繁に使うとフケや抜け毛を招く要因となります。
頭皮に必要な皮脂まで取ってしまうと、不足した皮脂を補う皮脂腺の働きが作用し、逆に皮脂の過剰分泌が起こります。
そのため、頭皮環境が悪化し、皮脂で毛穴をふさいでしまい、フケや抜け毛の原因になってしまうのです。
皮脂が過剰分泌されると、頭皮はべたつきます。炭酸シャンプーを使っているのに、べたつく、ということもありえることです。
効果をあまり感じない人もいる
炭酸シャンプーには頭皮環境の改善の効果、ニオイやかゆみのケアの効果が期待されています。
しかし、すべての人に効果が出る保証はありません。
また、過剰な皮脂が原因ではない匂いやかゆみの場合、効果はより感じにくいかも知れません。 そもそも炭酸シャンプーは即効性がなく、継続して使ってみて「何か違うかも?」と実感するものなのです。 少なくともまずは1本を使い切ってみましょう。
価格が高い
普通のシャンプーと比べて、炭酸シャンプーは価格が高い傾向があります。 例えば、ドラッグストアで販売されている「CLAYGE スパークリングスパシャンプーR」いう炭酸シャンプーは、150mlで1,540円です。 こちらのメーカーの場合、通常のシャンプーは、「500mLで1,540円」です。
商品タイプ | 価格 | 1ml単価 |
CLAYGE スパークリングスパ | 1,540円 | 10.26円 3.33倍UP |
CLAYGE シャンプー | 1,540円 | 3.08円 |
普通のシャンプーはトリートメントとセットで2,000円以下の価格のものもあります。 一方、炭酸シャンプーは多くの商品が2,000円以上の価格で販売されています。中には5,000円以上する炭酸シャンプーもあるのです。 炭酸シャンプーの価格が高いのは「炭酸用のボトル」の要因があります。泡をシュワシュワと出す高圧ガスを使用した特殊な容器は、通常のポンプ式のシャンプーボトルより原価が高くなります。
炭酸シャンプーの5つのメリット
炭酸シャンプーのメリットを見ていきます。
皮脂汚れを落として酸化を防ぐ | 微細な炭酸泡は皮脂の汚れを浮かせて落としやすくする |
抜け毛の対策になる | 毛穴に詰まった酸化皮脂を落とせる |
匂い、湿性フケ、べとつきを防ぐ | 酸化した皮脂が原因で起こるトラブルを回避 |
髪にふんわりボリューム感が出せる | 皮脂量を減らすことで髪がふんわりする |
頭皮の血流を良くする | 血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、血流が増加 |
主に皮脂汚れを取り除いた結果として得られるメリットが多いです。血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、多くの酸素を運ぼうとし血流が増加します。
皮脂汚れを落として過酸化脂質から頭皮を守る

炭酸泡が毛穴の皮脂汚れを浮かせる効果がある
炭酸シャンプーのきめ細かい炭酸泡によって、髪や頭皮の毛穴を開かせ、毛穴に詰まった汚れや余分な皮脂を吸着し、普段取れない汚れを取り除けます。
過酸化脂質とは皮脂が紫外線をあびて変化したものです。 放置すると皮膚のバリア機能を低下させ、炎症を引き起こし、かゆみなどの頭皮ダメージの要因となります。
過酸化脂質に変化する前に汚れや余分な皮脂を落とし、炎症、頭皮のかゆみを防ぎます。
炭酸は頭皮はもちろん顔の毛穴汚れをケアできるので、炭酸系の顔パックも多数販売されています。
※画像引用:コットンラボ公式
コットン・
過酸化脂質から頭皮を守り抜け毛の対策に!(育毛効果はなし!)

過酸化脂質は頭皮環境を悪くする
炭酸シャンプーを使うと抜け毛の対策になります。
頭皮の皮脂が過剰に分泌されて頭皮に残留すると、皮脂が酸化し「過酸化脂質」と呼ばれる物質に変異します。過酸化脂質は、細胞障害や炎症を引き起こすため、頭皮環境を悪化させます。これにより髪が十分に成長しないようになります。
また、過酸化脂質は粘性が強く、落ちにくくなります。
この過酸化脂質を、炭酸泡の力で除去することにより、抜け毛対策になります。
ニオイ、湿性フケ、べとつきがすっきり

炭酸泡が汚れを落とす仕組み
皮脂により頭皮が汚れると、毛穴がふさがった状態になりやすくなります。シャンプーで落とし切れていない皮脂が酸化すると、 ニオイ、湿性フケ、べたつきの原因になります。 酸化した皮脂は粘性が出るため、通常のシャンプーでも落としきれない場合があります。
そこで活躍するのが炭酸シャンプーの「炭酸泡」です。2020年にAmerican Chemical SocietyというLangmuirというメディアに掲載された論文では以下の炭酸泡のメカニズムについて以下のように書かれています。
炭酸水に含まれる二酸化炭素の泡が表面に触れると、気泡の上昇や流動が起こり、表面に付着した汚れや、匂い粒子が持ち上げられ、拡散されます。これは、付着した皮脂汚れが浮き上がる作用であり、シャンプーの泡と共に汚れを落としていくメカニズムです。
炭酸シャンプーの泡で皮脂を取り除くと洗浄され毛穴がきれいになり、ニオイ、湿性フケ、べとつきが改善し、予防にもなります。
参考論文:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.langmuir.0c01702
髪にふんわりボリューム感を出せる

炭酸シャンプーでふんわりボリューム感を出せる
皮脂が過剰に分泌されると、頭皮のべたつきが原因で髪どうしがくっついて重たくなってしまい、髪のボリュームが少なくなります。 頭皮の毛穴が汚れで詰まっていると健康な髪の毛が育たずに髪の毛が細くなる、髪の毛が抜け落ちるといったボリュームの低下につながるのです。 炭酸シャンプーによる微細な泡が毛穴の頑固な汚れを落とし、健康な髪の毛を育てる頭皮環境を整えてくれます。 他にも毛髪が根元から立ち上がりやすくなり、髪にふんわりとボリューム感が出せるのです。
頭皮の血流を良くして頭皮を柔らかくする
炭酸シャンプーを使うと、血行促進を促し、頭皮を柔らかくする効果が期待できます。 炭酸ガスが血中に入り込むと、血管を拡張すると共に、血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、栄養や酸素が多く運ばれるようになるため、血流が増加します。 頭皮が柔らかくなるとシャンプーに含まれる美容成分が角質層へ届きやすくなります。 そのため、頭皮環境が整い、健康的な髪を作りやすくなります。
炭酸シャンプーの効果を出すための選び方・使い方
ここからは炭酸シャンプーの選び方・使い方をみていきましょう。ポイントは以下の3点です。
- 洗浄成分は自分にあったものを選ぶ
- 炭酸の濃度を必ず確認・比較する
- 使用は週1~2回にして普通のシャンプーと併用する
1つずつポイントを解説します。
洗浄成分は自分にあったものを選ぶ

炭酸シャンプーも洗浄成分で選ぶことが大事
炭酸シャンプーに使用されている洗浄成分は、洗浄力が弱~中程度の「アミノ酸系」、洗浄力が中~強程度の「高級アルコール系」の2種類が一般的です。 頭皮の乾燥でお悩みの人は洗浄力がマイルドな「アミノ酸系」の炭酸シャンプーを選ぶのがおすすめです。 一方、さっぱりとした洗い上がりを求める人は「高級アルコール系」の炭酸シャンプーが合っています。
炭酸の濃度を必ず確認・比較する
炭酸シャンプーに記載されている「ppm」とは、炭酸の濃度を指しています。
シャンプーの中にどれだけの炭酸ガスが溶けているかを表していて、このppmの数値が大きいほど炭酸濃度が高く、洗浄力が高くなります。
炭酸濃度1,000ppm以上で毛細血管に働きかけられると言われています。
高濃度と言われる目安は4,000ppm以上です。 目的によって、目安となる炭酸濃度が変わるので、必ず確認し、比較しましょう。
しっかり頭皮や皮脂汚れを落としたいなら高めの炭酸濃度の炭酸シャンプー。一方、マイルドな洗浄力でケアするなら炭酸濃度の低い炭酸シャンプーを選ぶのをおすすめします。
使用は週1~2回にして普通のシャンプーと併用する
炭酸シャンプーは普通のシャンプーと比べて、皮脂を取る力が強いです。 そのため、毎日炭酸シャンプーを使うと頭皮の必要な皮脂まで取り除いてしまいます。
良い頭皮環境を維持するためにも、普通のシャンプーと併用し、頭皮の皮脂を取りすぎないよう気をつけましょう。
詳しくは「炭酸シャンプーの使用頻度」の記事で紹介しています。
まとめ
適切な頻度で使用し、自分に合った炭酸濃度の炭酸シャンプーを選べば、頭皮ケアの強い味方になってくれます。
フケや抜け毛のトラブル、皮脂の痛みなどのトラブルが起こるのは、不適切な使い方が原因です。
無理のない価格の炭酸シャンプーを選び、正しく使い続けて健康的な頭皮、髪をめざしましょう!