今持ってる香水を、髪の毛につけることで、髪の毛が傷むか心配されてますか?
自分の好みの香りでお気に入りの香水があるので、香水を髪にもつけてるという方が、一定数いるようです。
Diorの香水にも「髪用」としてヘアミストフレグランスがあるように、髪にはヘアミスト・ヘアフレグランスというものがあります。
この違いがよく分からないという方は多いようなので、化粧品開発者がヘアミストと香水の違いを解説します。
香水を髪につけていいか、悪いのか、この記事を読めば判断ができるようになります。
ヘアミストとは?
ヘアミストとは、髪の毛に直接吹きかけるミスト状のヘアケアアイテムです。ふんわりとした香りでまわりの人に清潔感のある印象を与えてくれます。ヘアミストの中には、アウトバストリートメントとして使えるコンディショニング成分がメインのもの、プレスタイリングの機能がメイン、フレグランスがメインなものと様々です。
また、ヘアミストによってはさまざまなヘアケア機能があります。
紫外線ダメージ防止や静電気防止の効果が期待できるアイテムもあったりと、ヘアミストは実は商品の幅が広いジャンルになっています。
ヘアミストと香水の違いは何?
ヘアミストと香水の違いは、主に下記の4つになります。
髪の毛のコンディショニングを主として作られているか、身体に香りがつけて、香りそのものを楽しむために作られているかの違い、その成分の違い、香りの強さの違いです。
香水は、香りを強調し、時間と共い変化させ、香りだけを楽しむ目的の商品です。香りがしっかりと液体に溶け込み、つけると香りが広がり引き立ち、保存していても香りが飛ばないよう、アルコールと混ぜて商品化しています。
ヘアミストは、髪の毛のサラサラ感、ツヤツヤ感、補修や保護を目的としています。そこにフレグランス性を加えています。髪の毛のコンディショニングすることが目的にある為、精製水とコンディショニング成分を乳化剤と一緒に混ぜて商品化しています。
香りだけを考えると、香水は香りが強いので、ナチュラルな香りをまといたい人には、ふんわりと香るヘアミストがおすすめです。一方で、香水は時間が経つと香りの変化があるので、1日を通して香りを楽しみたい人は香水がおすすめです。
香水の特徴
香水は、香りを楽しむアイテムです。
濃度と持続時間の違いで、パルファム・オードパルファム・オードトワレ・オーデコロンの4つに分類されます。パルファムが1番濃度が高く、持続時間も長いです。また、香りだちといって、つけてからの時間経過で香りの変化を楽しめることも特徴です。
成分の特徴としては、「変性アルコール、香料、水」の3つの成分で構成されています。変性アルコールとは、工業用のアルコールです。香料は、天然香料、合成香料、調合香料の3つに分類されます。水とは、精製水のことです。
ヘアミストの特徴
ヘアミストは、ヘアコンディショニングアイテムです。香りは、ふんわりとしたやわらかい香りが特徴。
つける場所やシーンを問わないのが良い点です。香りだけではなく、髪のうねりやボリュームを抑えたり、うるおいを保ちながら悪臭から守ってくれるなどのヘアケア機能もあります。
成分の特徴としては、「精製水、ヘアコンディショニング成分、機能性成分、乳化剤・防腐剤などの補助成分」と大きく分けて3つに分類することができます。
ヘアコンディショニング成分とは、シリコンやポリマー、シリコン代替え成分のことで、髪をサラサラ・ツヤツヤにすることに役立ちます。機能性成分とは、髪のダメージの補修や、熱や紫外線より髪を守る成分など、保湿・補修・保護ができる成分です。
シリコンやポリマーも髪の保湿・保護はできますが、成分の主な目的としては、髪に滑りを与える成分になっています。
ヘアミストは、水の配合量が多く、腐ってしまうので、防腐剤が配合されます。
そして、コンディショニング成分や機能性成分をしっかりと混ぜるために、乳化剤や界面活性剤が配合されています。
ヘアミストは香水として使える?
結論からいうと、ヘアミストは香水として使用することはできます。
ただ、ヘアミストは基本的に髪の毛に吹きかけるものです。なので、商品によっては「肌や顔にはつけないでください」と注意記載があるものも。
肌質によっては、肌トラブルが起きてしまうので、髪の毛につける香水として使うのがおすすめです。
ヘアコンディショニング成分が肌に合わない場合がある
髪の毛と皮膚の構造には違いがあるので、配合成分によっては、ヘアミストを身体につけると肌トラブルにつながってしまうことも。
ヘアミストに配合されている成分は、「肌試験」を十分にしていない可能性もあります。化粧品に配合されている成分は、肌や髪への効果を数値・データとしてエビデンスがあります。
ヘアミストに配合されている成分で、肌に使うと刺激が強かったり、べとついたりする成分も配合されている可能性があります。
身体につけてもOKなヘアミストもあるので、全身に使いたい人は身体OKのヘアミストを選んでみましょう。
香水をヘアミストとして使える?
香水もヘアミストの代わりになります。しかし、髪の毛にダメージを考慮すると、ヘアミストとしての使用はおすすめできません。主な理由は下記の2点です。
- アルコールで髪の毛の油分が奪われる
- ヘアコンディショニング成分が配合されていない
髪の毛と皮膚の構造には違いがあります。肌に使ってもいい成分・髪の毛のダメージに期待できる成分などの違いから、ヘアミストを身体につけることで肌トラブルにつながってしまうことも。香水をヘアミストとして使う時には注意しましょう。
アルコールで髪の毛の油分が奪われる
香水を髪に毛に使うと、アルコールで髪に必要な油分が奪われます。これが、香水を髪の毛に使う最大のデメリットです。
ヘアミストとは違い、アルコール濃度が高いアイテムです。髪の毛に香水をつけると、刺激によりキューティクルにダメージを与えて、油分も奪うため、髪の毛の乾燥に繋がってしまいます。
髪の毛のパサつきを起こしてしまう可能性があるので注意しましょう。
ヘアコンディショニング成分がない
香水はヘアケア商品ではないため、ヘアコンディショニング成分がありません。
なので、ダメージ補修や保護ができません。ヘアケアと香りを併用したい人は、ヘアミストを使いましょう。
香水はプレスタイリングの効果もないため、ヘアアイロンの前に使ったりすることはおすすめできません。
香水を髪につけるなら、スタイリングやヘアアイロンなどを行った後にしましょう。
ヘアフレグランスとヘアミストの違いは?
ヘアフレグランスは、オイル・ジェル・ミルク・クリームなど様々なテクスチャーがあります。
一方、ヘアミストはフレグランス性の高いヘアミスト、トリートメント効果が高いヘアミストなどの種類があります。
フレグランス性が高いヘアミストは、オイル・ジェル・ミルク・クリームなどのヘアフレグランスと同じ分類と考えても良いでしょう。
髪の毛に対するコンディショニング成分が多く、トリートメント効果を目的として作られているヘアミストは、ヘアフレグランスとは異なるものと言えます。
ヘアフレグランスを外出先でさっと使いたい人は、ミストやジェルを使いましょう。
オイリーな感じが気にならず、長持ちさせたいなら、オイル、ミルク、クリームなどを使いましょう。
シーンによって変えてみるのもおすすめです。
ヘアミストが向く人・香水が向く人
ヘアミストと香水は、香りの効き方が全く違うので、ヘアミストが向いている人と、香水が向いている人が分かれてきます。
ヘアミストが向いてる人
ヘアミストが良い方は、ふんわり軽く香るくらいの香りにしておきたい方、さりげない香りが好きな方は、ヘアミストの方がいいでしょう。香りの持続性は弱いですが、一度使うと完全に香りが消えるわけではなく、わずかに匂いは残る商品が多いです。
トップ、ミドル、ラストの変化もする商品が多いですが、香水のようにはっきりと感じられるものではありません。
食事のときは香水が強いと嫌がられるときがあるので、ケースに応じて香りが弱いヘアミストを使いこなすのもおすすです。
髪の毛をサラサラにしたり、保護もしてくれるので、コンディショニング効果もほしい方はヘアミストを選びましょう。
香水が向いてる人
香りの強さと持続性や、トップ、ミドル、ラストの変化を強めに感じたい方は、香水が向いています。量にもよりますが、香水は人との距離が1m程度でも匂いを感じることができます。
香水は肌につけることを前提に作られているので、髪につけるとアルコールが髪の毛の油分と水分を奪い傷む可能性があります。
まとめ ヘアミストと香水は分けて使おう
今回はヘアミストと香水の違いについてご紹介いたしました。結論としては、ヘアミストと香水は分けて使うことをおすすめします。使い分けることによって、より効果が発揮されます。
ヘアミストは全身で使える商品もあり、両方持つのが面倒な人におすすめです。ヘアミストと香水を使い分けて香りを楽しみましょう!